【令和6年度 司法書士試験】午後の部 第32問:商業登記法「清算株式会社の登記」の完全解説
午後の部の第32問(商業登記法)の解説です!
今回のテーマは「清算株式会社(特例有限会社を除く)の登記」に関する論点です。
法定清算人や裁判所選任清算人の就任承諾書の要否、清算株式会社における監査役の会計限定の廃止・監査役設置会社の定めの廃止可否、そして清算人会の必置要件など、清算手続に特有の機関構造と登記添付書面・登記事項が問われています。
本問は「誤っているものの組合せ」を問う問題です。各肢の○×判定を確実に行い、正解を選び出しましょう!
それでは、各肢を詳しく解説していきます。
■ 問題文
清算株式会社(特例有限会社を除く。)の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
ア
取締役が定款の定め又は株主総会の決議によらずに最初の清算人となった場合には、清算人の登記の申請書には、当該清算人が就任の承諾をしたことを証する書面の添付を要しない。
イ
裁判所が選任した者が最初の清算人となった場合には、清算人の登記の申請書には、当該清算人が就任の承諾をしたことを証する書面を添付しなければならない。
ウ
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めのある監査役を置く清算株式会社において、当該定めを廃止した場合には、当該監査役の退任による変更の登記を申請しなければならない。
エ
清算の開始時に会社法上の公開会社であった清算株式会社は、定款を変更して公開会社でない会社となった場合であっても、監査役設置会社の定めの廃止の登記を申請することができない。
オ
清算の開始時に会社法上の公開会社であった清算株式会社である場合には、清算人の登記の申請書には、登記すべき事項として、清算人会設置会社である旨をも記載しなければならない。
【選択肢】
1:ア ウ
2:ア エ
3:イ エ
4:イ オ
5:ウ オ
■ ア:法定清算人の登記における就任承諾書の要否
【問題文】
ア:取締役が定款の定め又は株主総会の決議によらずに最初の清算人となった場合には、清算人の登記の申請書には、当該清算人が就任の承諾をしたことを証する書面の添付を要しない。
【結論:正しい(マル)】
【解説】
解散時に会社に定款の定めや株主総会決議がない場合、解散時の取締役が当然に清算人(法定清算人)となります(会社法478条1項1号)。
法定清算人は法律の規定によって当然に就任するため、改めて就任を承諾するという行為が必要ありません。そのため、法定清算人の就任による登記申請書には「就任の承諾をしたことを証する書面(就任承諾書)」の添付は不要です(商業登記規則72条、商業登記法73条)。
したがって、本記述は正しいです。
■ イ:裁判所選任の清算人の登記における就任承諾書の要否
【問題文】
イ:裁判所が選任した者が最初の清算人となった場合には、清算人の登記の申請書には、当該清算人が就任の承諾をしたことを証する書面を添付しなければならない。
【結論:誤り(バツ)】
【解説】
利害関係人の申立て等により裁判所が選任した清算人(会社法478条2項等)の登記申請手続きに関する論点です。
裁判所が選任した清算人の場合、裁判所が自ら選任手続の中で就任意思の確認を行って選任裁判(選任決定)を行います。そのため、登記申請にあたっては「裁判所の選任裁判の決定書(選任を証する書面)」を添付すれば足り、別途「就任の承諾をしたことを証する書面(就任承諾書)」の添付は不要とされています。
添付しなければならないとする本記述は誤りです。
■ ウ:清算株式会社における会計限定監査役の定め廃止と退任登記
【問題文】
ウ:監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めのある監査役を置く清算株式会社において、当該定めを廃止した場合には、当該監査役の退任による変更の登記を申請しなければならない。
【結論:正しい(マル)】
【解説】
会計限定の監査役を置く会社が、会計限定の定款の定めを廃止する場合、監査役の職務権限が業務監査権限にまで拡大するため、任期満了退任(任期途中の退任)となります。
これは清算株式会社であっても同様です。清算株式会社が「会計限定の定め」を廃止した場合には、既存の監査役は任期満了により退任するため、監査役の退任による変更の登記を申請しなければなりません(会社法477条、施行監修規則等の通達・解釈)。
したがって、本記述は正しいです。
■ エ:元・公開会社である清算株式会社の監査役設置会社の定めの廃止
【問題文】
エ:清算の開始時に会社法上の公開会社であった清算株式会社は、定款を変更して公開会社でない会社となった場合であっても、監査役設置会社の定めの廃止の登記を申請することができない。
【結論:正しい(マル)】
【解説】
清算株式会社においては、原則として監査役を置くかどうかが任意となりますが、**「清算の開始時に公開会社であった清算株式会社」**は、監査役を置かなければならない(=監査役設置会社でなければならない)と規定されています(会社法477条2項前段)。
ここで重要なのは、基準となるのが「**清算の開始時(解散時)**」である点です。解散後に定款を変更して非公開会社(株式譲渡制限会社)となったとしても、清算開始時に公開会社であった事実は変わらないため、依然として監査役を置くことが強制されます。
したがって、監査役設置会社の定めの廃止の登記を申請することはできません。本記述は正しいです。
■ オ:公開会社であった清算株式会社と清算人会設置の登記
【問題文】
オ:清算の開始時に会社法上の公開会社であった清算株式会社である場合には、清算人の登記の申請書には、登記すべき事項として、清算人会設置会社である旨をも記載しなければならない。
【結論:誤り(バツ)】
【解説】
清算株式会社において「清算人会」を置かなければならない(必置機関となる)のは、**「監査役会設置会社」**である清算株式会社です(会社法477条1項前段)。
「清算開始時に公開会社であった清算株式会社」に強制されるのは**「監査役」の設置**であって(同条2項)、**「清算人会」の設置ではありません**。公開会社であっても監査役会を置いていない会社(単に監査役を置いているだけの会社)は、解散後に清算人会を置く義務はありません。
したがって、当然に「清算人会設置会社である旨」を登記しなければならないわけではありません。本記述は誤りです。
■ まとめ
🏁 正解の組み合わせ
本問は「誤っているものの組合せ」を求めています。
・ア:正しい(法定清算人の就任承諾書は不要)
・イ:誤り(裁判所選任清算人の就任承諾書も不要)
・ウ:正しい(会計限定廃止により監査役は退任する)
・エ:正しい(解散時公開会社は非公開化しても監査役設置会社を廃止不可)
・オ:誤り(清算人会が必置となるのは「監査役会設置会社」。公開会社という理由だけでは清算人会必置にならない)
誤っている記述は イ と オ なので、正解は 4 となります。
💡 本問のスピード解法テクニック
- 商業登記の基礎知識である イ(裁判所選任の清算人も就任承諾書は不要⇒イはバツ) を見抜きます。 ⇒ イを含む 3(イエ) または 4(イオ) に絞られます。
- 次に エ と オ を比較します。
- オ(清算人会必置は「監査役会設置会社」であって「公開会社」ではない⇒バツ) を判断すれば、瞬時に 4(イ オ) を自信を持って選べます!
### 💡 司法書士試験の過去問を解いていて、こんな悩みはありませんか?
* 「解説を読めば理解できるけど、知識が定着せず本番で思い出せない…」
* 「分厚いテキストと過去問集を持ち歩くのが重くて、隙間時間が活かせていない」
* 「仕事や家事と両立しながら、最短ルートで合格レベルに達したい」
私も最初は膨大な暗記量に挫折しかけましたが、**「スキマ時間×スマホ学習」**に切り替えたことで合格できました。
忙しい社会人でも無理なく続けられる、私が実践した**「スタディングを活用した司法書士試験の効率学習法」**を以下の記事で詳しく公開しています!
↓
👉 【実録】働きながら司法書士試験に合格!独学の壁を破った「スタディング」活用・効率学習法はこちら


0 件のコメント:
コメントを投稿