【令和7年度 司法書士試験】午前の部 第4問:民法「果実」の完全解説

2026年8月27日木曜日

令和7年度【民法】

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【令和7年度 司法書士試験】午前の部 第4問:民法「果実」の完全解説

午前の部の第4問(民法)の解説です!

今回のテーマは「果実(天然果実・法定果実)」に関する基礎かつ重要論点です。

天然果実と法定果実の定義、取得権者の範囲、元物からの分離時の帰属、日割計算の原則など、民法の総則・物権・債権にまたがる根幹知識が問われています。

本問は「誤っているものの組合せ」を問う問題です。各肢の○×判定を確実に行い、正解を選び出しましょう!

それでは、各記述を詳しく解説していきます。

■ 問題文

果実に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、選択肢のうち、どれか。

家賃は、法定果実に当たる。

利息の計算は、法定果実と同様に、別段の意思表示がなければ、これを生ずべき債権の存続期間に応じて、日割による。

乳牛から搾取される牛乳は、天然果実には当たらない。

天然果率は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。

賃借人は、賃貸借の目的物の天然果実を収取することができない。

【選択肢】

1:ア ウ
2:ア エ
3:イ エ
4:イ オ
5:ウ オ

■ ア:家賃と法定果実

【問題文】

ア:家賃は、法定果実に当たる。

【結論:正しい(マル)】

【解説】

民法88条2項は「物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする」と規定しています。

建物や土地などの「物の使用の対価」として支払われる家賃や地代は、まさに法定果実の典型例です。

したがって、家賃は法定果実に当たるため、本記述は正しい(〇)です。

📌 暗記のポイント: 物の使用対価(家賃・地代・利息など)=法定果実!

■ イ:利息の計算と日割による取得

【問題文】

イ:利息の計算は、法定果実と同様に、別段の意思表示がなければ、これを生ずべき債権の存続期間に応じて、日割による。

【結論:正しい(マル)】

【解説】

民法89条2項は「法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれ分を取得する」と規定しています。

金銭債権の利息も「金銭の使用対価」として法定果実に該当するため、別段の定めがない限り、債権の存続期間に応じて日割計算によって発生・取得します。

したがって、本記述は正しい(〇)です。

📌 暗記のポイント: 天然果実は「分離時取得」、法定果率は「日割取得」が原則!

■ ウ:牛乳と天然果実

【問題文】

ウ:乳牛から搾取される牛乳は、天然果実には当たらない。

【結論:誤り(バツ)】

【解説】

民法88条1項は「物の用法に従い産出する産出物を天然果実とする」と規定しています。

果樹から採れる果実や、鉱山から採掘される鉱物のほか、乳牛から得られる「牛乳」や羊から採れる「羊毛」も、元物(乳牛や羊)の用法に従って生じる産出物として天然果実に当たります

天然果実には当たらないとする本記述は誤り(×)です。

📌 暗記のポイント: 牛乳や羊毛、卵なども元の動物(元物)から産出される「天然果実」!

■ エ:天然果実の帰属時期

【問題文】

エ:天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。

【結論:正しい(マル)】

【解説】

民法89条1項は「天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する」と規定しています。

元物と合体している間は独立した物ではなく元物の一部にすぎませんが、分離した瞬間に独立した動産となり、その時点で収取権をもつ者に所有権が帰属します。

したがって、本記述は正しい(〇)です。

📌 暗記のポイント: 天然果実=分離するときに収取権者に帰属する!

■ オ:賃借人と天然果実の収取権

【問題文】

オ:賃借人は、賃貸借の目的物の天然果実を収取することができない。

【結論:誤り(バツ)】

【解説】

賃借権は、目的物を「使用および収益」することができる権利です(民法601条)。「収益」には目的物から生じる果実を収取することも含まれます。

例えば、果樹園や農地を借りている賃借人は、そこから収穫される果実や作物を正当に取得・収取することができます。

「収取することができない」とする本記述は誤り(×)です。

📌 暗記のポイント: 賃借人は「使用・収益」できるので、天然果実の収取権がある!

■ まとめ

🏁 正解の組み合わせ

本問は「誤っているものの組合せ」を求めています。

・ア:正しい(家賃は法定果実)
・イ:正しい(利息などの法定果実は日割計算)
・ウ:誤り(牛乳は天然果実である)
・エ:正しい(分離時に収取権者に帰属)
・オ:誤り(賃借人は天然果実を収取できる)

誤っている記述は なので、正解は 5(ウ オ) となります。

💡 本問のスピード解法テクニック

  1. 一目で誤りとわかる ウ(牛乳は天然果実でない⇒誤り) を見抜きます。 ⇒ ウを含む 1(アウ) または 5(ウオ) に絞られます。
  2. 次に を比較します。
  3. オ(賃借人は天然果実を収取できる⇒誤り) または ア(家賃は法定果実⇒正しい) を判断すれば、確実に 5(ウ オ) を導き出せます!


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