【令和6年度 司法書士試験】午後の部 第24問:不動産登記法「仮登記の移転・処分」の完全解説

2026年8月14日金曜日

令和6年度【不動産登記法】

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【令和6年度 司法書士試験】午後の部 第24問:不動産登記法「仮登記の移転・処分」の完全解説

午後の部の第24問(不動産登記法)の解説です!

テーマは、受験生が混乱しやすい「仮登記された権利の移転(仮登記の仮登記など)」について。この論点を脳内でスッキリ整理するための最大の鍵は、現在の登記が「1号仮登記(物権変動)」なのか「2号仮登記(請求権保全)」なのかを見極めることです。

登記記録を確認してみましょう。

順位番号2番: 所有権移転仮登記(原因:令和6年5月1日売買)

原因が「売買の予約」ではなく「売買」となっています。つまり、すでに売買という物権変動が起きている(形式上書類が足りないなどの理由で入れた)「1号仮登記」です。Bさんは「仮登記という枠組みに入った所有権そのもの」を持っています。

この「1号仮登記の移転」という特殊な場面において、登記の形式や添付書類、登録免許税がどうなるか、各選択肢をパバッと判定していきましょう!

■ 問題文

登記記録に次のような記録(抜粋)がある甲土地について、次のアからオまでの記述のうち、第1欄に掲げる事由が生じたときに、B及びCが書面により共同して申請する登記に関する第2欄に掲げる記述が正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、判決による登記、代位による登記及び仮登記を命ずる処分に基づく仮登記については、考慮しないものとする。また、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。

第1欄に掲げる事由が生じたときに、B及びCが書面により共同して申請する登記に関する第2欄に掲げる記述が正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 登記は、本登記によってされる。

第1欄: B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。
第2欄: 登記は、付記登記によってされる。

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 添付情報として、Bの登記識別情報の提供を要する。

第1欄: B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。
第2欄: 添付情報として、Cの住所を証する情報の提供を要しない。

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 登録免許税の額は、不動産の価額に1000分の10を乗じた額である。

【選択肢】

1:ア イ
2:ア ウ
3:イ エ
4:ウ オ
5:エ オ

■ ア:1号仮登記の移転の「登記の形式(本登記か仮登記か)」

【問題文】

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 登記は、本登記によってされる。

【結論:誤り(バツ)】

【解説】

Bさんはまだ「仮登記」という不完全な状態の権利を持っています。その不完全な権利(仮登記された所有権)をCさんに売却したからといって、売却された後の登記がいきなり「本登記」にレベルアップすることはありません。元が仮登記である以上、それを譲り受けたCさんの登記も「仮登記」の形式(仮登記の移転の仮登記)で入ることになります。したがって、「本登記によってされる」とする記述は誤りです。

📌 暗記のポイント: 不完全な仮登記を売買しても、不完全な状態(仮登記)のまま引き継がれる!

■ イ:1号仮登記の売買予約による移転の「主登記か付記登記か」

【問題文】

第1欄: B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。
第2欄: 登記は、付記登記によってされる。

【結論:誤り(バツ)】

【解説】

ここは非常に多くの受験生が引っかかる罠論点です! 2号仮登記(所有権移転請求権)を移転するときは、常に「2番付記1号」のように付記登記で入ります。

しかし、今回のように「1号仮登記(所有権そのもの)の移転」をする場合、それは「主登記」で入るというルール(先例)があります。 たとえその移転の原因が「売買の予約」であったとしても、1号仮登記の処分(移転)である以上は主登記(独立した新しい順位番号)で入れなければならないため、「付記登記によってされる」とする記述は誤りです。

📌 暗記のポイント: 1号仮登記の移転は「主登記」!(2号仮登記の移転だけが付記登記です)

■ ウ:仮登記の移転における登記識別情報の要否

【問題文】

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 添付情報として、Bの登記識別情報の提供を要する。

【結論:誤り(バツ)】

【解説】

仮登記の段階では、登記識別情報の提供は不要です。

■ エ:仮登記の申請における権利者の住所証明情報の要否

【問題文】

第1欄: B及びCが、順位番号2番で仮登記がされた所有権の売買の予約をした。
第2欄: 添付情報として、Cの住所を証する情報の提供を要しない。

【結論:正しい(マル)】

【解説】

添付情報の基本ルールです。 通常の「本登記」で所有権を新しく手に入れるときは、「本当にその住所にその人がいるか」を確かめるために、登記権利者(C)の住所証明情報(住民票)が必須となります。

しかし、「仮登記」を申請する段階においては、まだ一時の仮の状態にすぎないため、登記権利者の住所証明情報の添付は一律で「不要」とされています。本肢は売買の予約による仮登記(仮登記の仮登記)の申請ですので、Cの住所証明情報は不要であり、記述は正しいです。

📌 暗記のポイント: 「仮」の登記なんだから、住民票(住所証明情報)までは求められない!不必要!

■ オ:1号仮登記の移転における登録免許税

【問題文】

第1欄: Bが、Cに対して、順位番号2番で仮登記がされた所有権を売却した。
第2欄: 登録免許税の額は、不動産の価額に1000分の10を乗じた額である。

【結論:正しい(マル)】

【解説】

仮登記の登録免許税に関する知識です。

通常、所有権の売買による「本登記」の税率は原則「1000分の20(2%)」です。そして、所有権の売買による「仮登記(1号仮登記)」を入れるときの税率は、その半分の「1000分の10(1%)」と法律で決まっています。

今回のケースは、すでに2番で入っている1号仮登記をさらにCに移転する(仮登記の移転)手続きですが、この場合も通常の1号仮登記と同様に「1000分の10」の税率が適用されます(登録免許税法別表第一第一号(十二))。したがって、記述は正しいです。

📌 暗記のポイント: 所有権の売買の仮登記(およびその移転)の税率は、本登記の半分の「1000分の10」!

■ まとめ

🏁 正解の組み合わせ

本問は「正しいものの組合せ」を求めています。

・ア:誤り(本登記ではなく仮登記になる)
・イ:誤り(1号仮登記の移転は主登記による)
・ウ:誤り(登記識別情報は不要)
・エ:正しい(仮登記申請において権利者の住所証明情報は不要)
・オ:正しい(1号仮登記の移転の登録免許税は1000分の10)

正しい記述は エ と オ なので、正解は 5 となります。



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